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1MDB問題について

 

先日より、マレーシアのナジブ首相関連の話で、1MDB ( 1 Malaysia Development Berhad ) の問題が騒がれています。これは、現在のKLCCを越えるビルディングを建設しクアラルンプールを金融ハブにしようと、ナジブ首相が発表し、実行に移すために作られた会社です。

 

当初から、この建設には合理性がない、あるいは税金の無駄だなどと言われてきましたが、計画に従い、順調に進んでいるかに見えていました。(実際は工事が始まったところで止まったように見える)

 

さて、プロジェクトの状況については、余り知られていませんでしたが、サラワク・レポート(新聞のひとつで、サラワク州とは関係がないそうです)で、使途不明金の話がでたところから、野党を中心に使途不明金の説明を求める声や、不正があったのではないかとの疑惑が出てくるようになりました。

 

その後、マハティール元首相が「ナジブ首相の下で進められているプロジェクトについて、マレーシアの国家予算を使っているにも関わらず、進捗が遅く用途が不明。かなりの金額を失ったように見える。首相は説明するべきだ」と再三に渡りメディアにて取り上げられ、問題が大きくなりました。

 

対するナジブ首相は「マハティール元首相も、首相時代にかなりの政府予算を失ったのだから文句を言わないで欲しい」というような発言をして対抗しました。マハティール元首相は「確かに、マレーシアの国家予算を拠出したにもかかわらず、損害を出したが、損害を出した内容についての説明はきちんと行ったし、今も説明できる。ナジブ首相は説明責任すら果たしていない」とメディアを通じてかなりのやり取りがありました。

 

とはいえ、この時点では、他の政治家など多少発言することはあっても、多くは傍観していたように見受けられます。

 

そして、先日、WSJ (ウォールストリートジャーナル)が、「マレーシア ナジブ首相の個人口座にRM26億の入金があった!」と報じました。ここから、マレーシア国内を含め、かなりの動きが出ています。

 

ナジブ首相は、、不正を否定し、最初は静観していたものの、国民から「違うなら訴えるなりすればいいのに」と声が上がり始め、ついに「WSJを(名誉毀損で)訴える!」との発言にいたっています。

 

その後、WSJからは「訴えても良いけど、証拠があるよ」とのリリースがあり、数週間過ぎた今でも、実際には訴えていないようです。

 

そして、つい先日、ACC (The Malaysian Anti-Corruption Commission; マレーシア不正取引防止委員会)から、26億リンギットは、1MDBからの不正資金ではなく、とある個人からの寄付によるもの。と、発表がありました。(迂回資金かどうかなどの調査が行われたかどうかは定かではありません)

 

また、これらの騒動に対し、ナジブ首相側近であった、ムヒディン・ヤシン副首相が内閣改造に伴い閣外に (多くの人が、首相に不正疑惑に対して反旗を翻したため更迭されたとみなしています)、そして首相に反対している人などの多くが逮捕され、あるいは職を追われる結果となっています。

 

このため、正面きってナジブ首相に文句を言う人がほとんどいなくなってしまい、現在はマハティール元首相、ナジブ首相の兄弟であるCIMB銀行 CEO、他、少数となってしまいました。

 

マレーシア人が、この状況をどのように捉えているか、Facebookでの発言や私の周りにいるマレーシア人に聞いてみたところ、中国系、あるいはインド系マレーシア人だけではなく、マレー系マレーシア人でも、学歴が高くなるに従い、「ナジブ首相は不正を行っていたに違いない」「自分に反対する人を遠ざけるだけなんて、民主主義からは程遠いし、これでは何が起きても文句言えない」などの発言が多いように感じます。

 

 

この報道、皆さんはどのようにお感じになるでしょうか。

 

 

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